格子柄(格子模様)と市松模様の違いや意味、由来とは?

格子柄(格子模様)と市松模様の違いや意味、由来とは?

格子柄や市松模様は、服や小物にも使われるデザインのひとつですが、それぞれ混同されがちです。また、それぞれの模様について、その意味や定義、ルーツなどは詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。

今回は、格子柄の具体的な意味や由来と、「市松柄(市松模様)」との違いについて解説します。

はじめに、「格子柄」の意味や由来をおさえながら、混同されてしまいがちな「市松柄(市松模様)」との違いを見ていきましょう。

格子柄とは、その名の通り縦縞と横縞が重なって格子状となった模様のことです。「格子」とは、建築に使われる建具としての意味もあります。この建具の、木材などが規則正しく並べて作られている様子から、模様の意味にも転じています。

幾何学模様や日本の伝統模様にも含まれており、「チェック」や「格子縞」などと呼ばれることもあります。「格子柄」として色や縞の幅などに定義があるわけではないので、「基盤縞」「弁慶縞」「千鳥格子」といった、様々なデザインの格子柄が古くから存在しています。

さまざまな種類の格子柄(格子模様)

「市松模様」は、格子模様の内のひとつです。チェス盤のように、2色の四角が交互に配された柄が「市松柄」や「市松模様」と呼ばれています。格子柄という大きな括りの中に位置しているため、そもそも格子柄と市松模様は同じ階層で比較される模様ではありません。

また、市松模様自体にも、色・四角の大きさに明確な決まりはありません。よって、配色やデザインなどさまざまな市松模様が生み出されています。単調な意匠なので、他の文様や絵などと組み合わせてデザインされることも多いです。海外では「ブロックチェック」などと呼ばれることもあります。

さまざまな種類の市松柄(市松模様)

なお、市松模様は柄が途切れず続く様子から「繁栄」を意味する日本の伝統文様のひとつとして親しまれています。昔は「石畳」「あられ」などと呼称され、江戸時代中期に流行った「佐野川市松」が使っていた衣装から、「市松模様」と呼ばれるようになったといわれています。

市松模様は、日本の伝統模様であることから羽織や浴衣、袴などの和服や扇子に使われることが多いです。一方で、靴下やスリッパなどの小物やクッション、飲食店などののれんなど、日常的なアイテムにも市松模様があしらわれているケースは多くあります。デザインが幅広いことから、さまざまなアイテムにあわせやすい模様といえるでしょう。

市松模様が使われているアイテムの例

また、紅と白や黒と緑、金と白といった配色の市松模様は、デザインやアイテム次第で「和」の雰囲気を作り出すこともでき、日本ならではの商材やサービスを打ち出したい時に使用するのにも向いています。

格子柄と市松柄の違いや、それぞれの定義について紹介してきました。市松柄を含む格子柄は、そのデザインの幅広さから、日常のあらゆる場面で目にする機会があります。中でも、吉祥の意味があり伝統文様として親しまれている市松柄は、うまく活用すれば狙った雰囲気の演出にも活用できるでしょう。

今回ご紹介した内容を参考に、デザインや創作のアイデアを膨らませてみてください。