のれんの種類やサイズ使用用途を全て紹介

店舗を経営するにあたって、お店の顔となるのが「のれん」です。
のれんには種類が色々あるため適切なのれんがどういったものかわからない、
お店のレイアウトを一新したいので違った種類ののれんに変えたい、などの悩みはつきものではないでしょうか。
今回は、お店で使用する場合のおすすめののれんについて紹介します。
のれんの形やサイズは大きく分けて4種類
一口にのれんといっても、用途や目的などによりサイズは様々です。
現在街中で見かける一般的なのぼりのサイズは、最もポピュラーな大きさの「のれん」、縦の長さがのれんの約半分の「半のれん」、
小さくて横が長い「水引のれん」、縦の長さがのれんの1.5倍ほどの「長のれん」の4種類に分けられます。
また、上下に棒を通し、一枚の布として店頭に飾られる「日除けのれん」といったものもあります。
のれんの名称とサイズ(大きさ)の種類
主なのれんの形とサイズは、以下の通りです。
名称 | イメージ画像 | 特徴 |
の れ ん |
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縦の長さが3尺7寸(113cm)のものを指します。 場所や用途を選ばない汎用性が高いのれんです。 |
半 の れ ん |
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縦の長さがのれんの半分(約56cm) 店内の様子や商品を見せるためにのれんの 長さを半分にしたといわれています。 |
のものを指します。
水 引 の れ ん |
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縦の長さが30~40cmほどで、 贈答に使われる飾り紐である「水引」が 由来となっており、店頭の装飾として用いられます。 |
店舗の軒先間口いっぱいに広がったのれんです。
長 の れ ん |
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縦の長さが160cmほどある長いのれんです。 目隠しや日除けとしても使われます。 |
使用場面に適したのれんの種類
のれんに様々な種類があるのは、用途が様々でありそれに適したのれんが作られていくうちに種類も増えていったからです。
例えば、お店の中を見せて集客を図りたい場合は、長いのれんは適していませんし、直射日光が強いところでは短いのれんでは店内や商品に影響してしまいます。
用途に合わせてのれんの名称も多様化されてきました。
店舗にいちばん合ったのれんはどれか、参考にしてみてください。
■どのような店舗にも適したのれん
通常サイズののれん・店舗のれん・半のれんがおすすめです。
個性やこだわりを全面に出さず、親しみやすい雰囲気を出すことができます。
■間仕切りに適したのれん
店舗とバックヤードを仕切る必要がある場合は大きめサイズののれんが必要です。
長のれん・楽屋のれん・湯のれん・座敷のれんなどが適しています。
■店頭を装飾するために適したのれん
店頭の装飾を第一に考えた場合、 水引のれん・日除けのれんなどを使うとインパクトがあります。
■季節感や和の感じを出したい場合
和カフェなど和風がコンセプトの店舗の場合は、 すだれ・珠のれんなどがいいでしょう。
今でもよく利用されているのれんの種類

■店舗のれん
お店の顔として、広く一般的に使われているのれんです。
のれんを出しておくことで「営業中」であることを知らせる役目もあります。

■湯のれん
銭湯や温泉で用いられるのれんです。
「ゆ」「男湯」「女湯」と書くことで、目印や間仕切りとしての役割があります。

■日除けのれん
店頭を直射日光から守るために作られたのれんです。
一枚布で存在感があるため、お店の看板がわりにもなります。
■楽屋のれん(花暖簾)
楽屋口に吊るすことを目的としたのれんです。
歌舞伎役者など伝統芸能に携わる人への贈り物としてつかわれることが多いです。
布のれん種類(生地)
各のれんに使われている布の種類には、以下のようなものがあります。
用途によって素材を選びましょう。
特に火気を扱う飲食店は、防炎加工を施した素材が必須です。
のれんキングで取扱いのある生地の種類
■トロマット
ポリエステル100%の化学繊維になります。
発色がよく、丈夫なため店舗の軒先にかけるのれんに使われています。
■防炎トロマット
トロマットに防炎加工を施したものになります。
屋内の飲食店など、火災の危険性があるところに適しています。
■エステルハンプ
ポリエステルでできた帆布に似た風合の素材です。
厚手で丈夫なため、日除けのれん・湯のれんに最適です。
■エステル麻
ポリエステルでできた麻に似た素材です。
軽やかで和の雰囲気があるため、楽屋のれんや飲食店に使われています。
のれんに使われる色の種類
のれんによく使われている色は、以下の5色になります。
■紺・藍
呉服屋などで使われてきた紺や藍は、堅実な商売を意味します。
■柿
遊郭で使われた色ですが、転じて現在では高級感を現す色として使われています。
■白
菓子屋や薬屋で使われた色です。現在では清潔感から夏に使われるイメージです。
■茶
煙草商が使われた色ですが、ポピュラーな色合いのため現在では幅広い用途で利用されています。
■紫
高貴なイメージがあるため、楽屋のれんなどによく利用されています。
実際には色に縛りはないため店舗の雰囲気や取り扱っている商品・メニューに合わせた色で作ることをお勧めします。
ただし、のれんに入れる文字は、帳簿の赤字を避けるためなど諸説ある「赤」を避けるようにしましょう。
結局は好きな色で作ることが、お店にいちばん相応しいのれんになる近道です。
その他のれんの種類
のれんは日本で古くから使用されてきたものです。
地域ごとに使われ方やデザインなどに特徴があります。
伝統的なのれんの種類
■座敷暖簾(別名床暖簾)
店舗と居間との間仕切りに利用されており、長のれんが主です。
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・絵暖簾
屋号や商号以外の、豪華な絵で染め上げられたのれんです。 -
・くぐり暖簾
店の間と奥の間などの間仕切りに使われ、屋号だけをシンプルに染めたのれんです。 -
・祭り暖簾
秋田県の本荘地区で祭祀に使われる、座敷暖簾の一種です。
■加賀暖簾
加賀友禅でおなじみの石川県の伝統工芸品であるのれんには、以下のようなものがあります。
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・加賀の花嫁のれん
豪華な柄で染められており、加賀地方の花嫁道具として用いられます。
現在では花嫁のれんの名前を冠した「花嫁のれん列車」が走るなど、観光資源としても有名です。
布製以外ののれんの種類
■すだれ
細い竹を横にして編んだものです。日除けなどに使われます。
■縄のれん
縄で編まれたひも状ののれんです。居酒屋などに使われます。
■珠のれん(玉のれん)
ガラス玉やビーズに紐を通して作られたのれんです。
■管のれん(竹のれん)
細い竹を縦にし、管状にして繋げたのれんです。
まとめ
このように、のれんには様々な種類があり、用途によって素材や色などの選択肢がたくさんあります。 お店に合う一枚をどうか選んでみてください。