遠くからでもよく見える!目立つ色の組み合わせについて解説

くからでもよく見える!目立つ色の組み合わせについて解説

効果的に注目を引くためには、目立つ色を活用することが不可欠です。たとえば、車を運転している際や遠くを歩いている人々にアピールでき、さらなる集客の成果が期待できます。印象に残る色彩でデザインすることで、店舗やイベント情報などを周りの人に認識してもらいやすくなるでしょう。

今回は、遠くからでも認識しやすい色の組み合わせやデザインについて詳しく解説します。看板やポスター、のれんなどを制作する際の参考にしてみてください。

目立つ色の組み合わせを作るため3つのポイント

人の目を引く看板には目立つ色の組み合わせに配慮したものが多くあります。ここでは、目立つ色の組み合わせを作るためのポイントを3つ紹介します。

瞬間的に理解させたいときは「視認性」を重視する

情報を瞬時に理解してもらうためには視認性を重視することが欠かせません。視認性とは、文字や要素を見つけやすく、その意味や目的を理解しやすい特性を指します。

視認性に関する重要な要素として、以下の3点が挙げられます。

  • コントラスト
  • 色相環(補色・類似色)
  • 明度や彩度の調整

1つ目のコントラストとは、色の明るさや色調の差異によって生まれる視覚的な対比を指します。たとえば、明るい色と暗い色、鮮やかな色と地味な色などの組み合わせです。コントラストを高めることで色が目立ち、視認性が向上します。
また、視認性を確保するためには、色相環をもとにして補色や類似色の組み合わせを選ぶことが効果的です。補色とは色相環上で180度反対側に位置する色を指し、相対する色の組み合わせで強い対比を生み出します。類似色は色相環上で隣接する色の組み合わせで、統一感をもたせながら視認性を高めます。

類似色と補色

3つめの明度と彩度は、色の特性を調整する手法です。明度とは色の明るさ、彩度は色の鮮やかさを示します。たとえば、暗い背景に対して明るい要素を配置すれば周囲に目出ち、彩度の差を活用することで強調効果をもたらします。

視認性のポイントをもとに、見つけやすい配色と見つけにくい配色について分けてみました(背景色×文字色)。

視認性の良い配色

  • 黄色×黒
  • 赤×白
  • 濃い青×黄色
  • オレンジ×濃い青
  • 濃い紫または緑×白

視認性の悪い配色

  • 緑×赤
  • 白×黄色
  • 茶×緑
  • 紫×青
視認性の高い配色と低い配色

なお、視認性が低めの配色を取り入れる際は、明度の差が高い色で文字枠を囲ったり影を付けたりして視認性を高める方法もあります。

以上のように、デザインの目的に合わせて適切な色の選択と組み合わせを行い、コントラストや明度や彩度の差に工夫を加えて視認性を向上させましょう。

人の注意を惹きつけたいときは「誘目性」を重視する

誘目性は、何かを探しているわけではない人に対して注目を喚起し、物事を発見させやすくする特性です。視認性が「見つけやすさ」であるとすれば、誘目性は「目立ちやすさ」を示しています。

たとえば、赤や黄色、オレンジといった暖色は青や緑、紫などの寒色と異なり誘目性が高いといわれます。交通標識などで赤や黄色が使用される頻度が高いのは、無意識のうちに人の注意を引き付けるためです。また、無彩色よりも有彩色、黒よりも白の方が誘目性が高いことも重要なポイントです。

これらの情報をもとに、誘目性の高い組み合わせと低い組み合わせ(背景色×文字色)について紹介します。

誘目性が高い配色

  • 赤×黄色
  • 赤×白
  • 黄色×黒
  • 緑×白
  • オレンジ×紫
  • オレンジとピンク(彩度や明度による)
  • 蛍光イエローと蛍光グリーン(彩度や明度による)

誘目性が低い配色

  • モノトーンカラー(白と黒、またはモノクローム調)の組み合わせ
  • ペールブルーやパステルピンクなどの薄いカラーの組み合わせ
  • 深めの紺色と黒
  • ネイビーとダークグレー
  • 深緑とダークグレー
  • 淡いベージュと薄いピンクなど
誘目性の高い配色と低い配色

誘目性を踏まえて看板やポスターを制作する場合は、遠くからでも目立つようにするとともに、暖色や有彩色を活用しながら引き込み効果をねらった配色を考慮しましょう。

文字の意味を読み取ってほしいときは「可読性」を重視する

可読性は、文字が見やすく容易に理解できる度合いです。可読性を重視する場合、目立つだけでなく読みやすくするための配色の工夫が必要となります。

可読性を高めるために考慮すべきポイントは次のとおりです。

  • 適切な色を組み合わせる
  • コントラストを確保する
  • 色の心理効果を意識する
  • 統一感を確保し彩度を調整する

1つ目の「適切な色の組み合わせ」は、「黒と白」のように文字がよく浮き立つ組み合わせです。明瞭に読み取れるため、Webサイトや印刷物などで広く使われます。

さらに、コントラストを重視することで文字が目立ち読みやすくなります。しかし、青や赤など目立つ色を使っても判読しづらくなるため注意が必要です。

3つめのポイントのように、使用する色がもたらす心理的効果を把握しておくことは重要です。たとえば、黄色は注意を喚起する際に活用されますが、過度に使うと読む人に不安感を与える場合があります。色の選定では読みやすさのバランスを考えましょう。

最後の統一感については、読み手が瞬時に理解できることを優先するうえで大切な要素です。また、鮮やかすぎる色を使うと、目が疲れたり読みにくくなったりする可能性があるため、色彩を調整しましょう。

可読性の高い配色や低い配色については、以下の組み合わせ(背景色×文字色)を参考にしてみてください。

可読性の高い配色

  • 白×黒
  • 黒×白
  • 深い青×白
  • 深い緑×白
  • 濃い灰色×白
  • 深茶×白
  • 黄色×濃い青
  • オレンジ×濃い青
  • 黄色×黒 など

可読性の低い配色

  • 薄い黄色×白
  • 淡いオレンジ×淡い赤
  • 青×緑
  • 紫×濃い青
  • 淡い緑×淡い茶色
  • 黒×青
可読性の高い配色と低い配色

このような配色を意識して可読性を向上させることは、デザインの質を高めるとともに文字が正しく理解されるうえで重要なポイントです。

遠くからでも目立つ色の組み合わせ例

人々が遠くの方から見ても目立つ色の組み合わせについて解説します。明るい場所と暗い場所とでは見えやすい色の組み合わせが異なる点を確認してみてください。

明るい場所で見えやすい色の組み合わせ

昼間に目を引くデザインを創り出すためには、明るい場所に合う色の組み合わせを考慮しなければなりません。最初に覚えておきたい点は、赤やオレンジ、黄色などの暖色は明るい日中に効果的であることです。

さらに背景色と文字色の組み合わせ方で印象は異なります。たとえば、次の組み合わせ(背景色×文字色)を参考にしてみてください。

  • 赤×白
  • 赤×黄色
  • 赤×青緑
  • 濃紺×白
  • 青緑×白
  • 青×黄色
  • 青緑×黄色
  • 緑×赤紫
  • 緑×白
  • 黒×白
  • 黒×黄色
  • 黒×赤
  • オレンジ×青
  • 青×オレンジ
明るい場所で見えやすい色の組み合わせ

淡い色の背景色は周囲の明るさに馴染んでしまうため、逆に誘目性が低くなる可能性があります。次の組み合わせは、明るい日中に見えにくい色の組み合わせです。

  • 水色×白
  • ピンク×白
  • グレー×白
  • ベージュ×茶色
  • グレー×黒
  • ライトグリーン×ブルー
  • ピンク×紫
明るい場所で見えにくい色の組み合わせ

色の心理的効果をもとに、エネルギッシュさや高級感、視認性などを総合的に判断しながら色の選定を行いましょう。また、背景色に対する補色を文字色としたり、黒や白で文字を縁取ったりすることで、色彩のバランスをとりつつ可読性も向上します。

暗い場所で見えやすい色の組み合わせ

暗い場所で目立つ色の組み合わせを考える際は、以下のポイントに考慮してみてください。

  • 赤やオレンジは日中と同様に夜でも目立ちやすい
  • 日中は目立ちにくいが暗くなると目立つ色もある
  • 文字色に背景色の補色を選ぶことで視認性を高められる

昼間と同様、オレンジや赤は夜でも目に止まりやすい色です。また、日中に目立ちにくい色である黄色や水色、黄緑などは夜になると視覚的な注目を引きやすくなります。

以下のような組み合わせ(背景色×文字色)は、暗いところでも目立つ効果を発揮します。

  • 赤×黄色
  • 赤×白
  • 赤×青緑
  • オレンジ×黒
  • オレンジ×白
  • 黄色×青紫
  • 黄色×黒
  • 黄色×赤
  • 水色×白
  • 水色×黄色
  • 水色×朱色
  • 水色×黒
  • 黄緑×黒
  • 黄緑×白
  • 黄緑×紫
  • 黄緑×ピンク
暗い場所で見えやすい色の組み合わせ

逆に、夜間に見えにくい色の組み合わせは以下のとおりです。

  • 青×赤
  • 青×黄色
  • 青×白
  • 黒×赤
  • 黒×白
  • 緑×赤
  • 緑×黄色
  • 紫×白
暗い場所で見えにくい色の組み合わせ

全体を通して、暗い環境での色の選択においても、目立ちつつもメッセージやイメージを考慮し、バランスを取ることが重要です。看板やポスターなどの設置場所や目的に合わせて、適切な色の組み合わせを検討しましょう。

各色に対する見えやすい色の組み合わせ

看板やのぼりなどの背景色が決まっている場合、文字やイラストとの明暗差を工夫することで目立つ効果を引き出せます。

背景色と同じ系統の色を使う際には色のコントラストをはっきりさせ、無彩色(白・黒・灰色)で囲むことで見やすさを確保できるでしょう。

以下の表は、背景色と文字で使うと目立つ色の組み合わせの例です。

背景色 文字色
黄色、白
黄色 黒、赤
黄色、赤、白

文字を目立たせるためには、背景色に対する補色を文字に活用する方法があります。しかし、「目立たせること」と「読みやすさ」は異なる要因であるため、両者のバランスを考慮しなければなりません。

たとえば、背景色が赤の場合、補色である緑を文字色に選ぶというアプローチもありますが、実際には白や黄色のほうが読みやすくなります。また、色の彩度によっても人々の印象は変わります。

背景色の選定や文字色の決定に際しては、デザインの目的とターゲットを念頭に置いて、バランスを取ることを重視しましょう。

遠くからでも注目を集めるためには、「視認性」「誘目性」「可読性」の3つの要点を考慮し、コントラストや色相環、色調の調整を通じて効果的なデザインを作ることが重要です。

また、明るい場所と暗い場所で効果的な色の組み合わせを考慮し、背景色と文字色の見えやすさ(読みやすさ)を確認する必要があります。

看板やポスターなどを通じて、「いつ、どこで、誰に、どのように伝えたいのか」を明確にして色の選定と組み合わせを調整し、遠くからでも目立つ魅力的なデザインを作成しましょう。